夕顔あらすじ
源氏が、六条御息所を訪問の途中、大弐の乳母の病気を見舞った時、偶然にも夕顔と和歌を贈答した。夕顔の素姓を惟光に調査させた。
夕顔の家が隣家なので、惟光は苦心しながら熱心に調査した。
その間に、伊予介は上京して、源氏を訪問した。その時源氏は、「今度空蝉を伴って伊予に下る」と聞いて、心が乱れた。
秋になった。源氏は六条の御息所を訪ね、霧の深い早朝に帰邸した。
惟光は、隣家の調査を源氏に報告した。夕顔の素姓は、どうやら頭中将の「常夏」の女らしい。惟光は、とうとう源氏を夕顔の家に通わせてしまった。源氏は、八月十五夜、夕顔の家に泊って、明くる朝、なにがし院に夕顔を連れて行った。まだ互に素姓はうち明けない。
うす気味の悪い十六日の宵過ぎに、夕顔はなにがし院で頓死してしまった。惟光は、死骸を東山のさる尼寺に運んだ。源氏は、失望落胆して二条院に帰った。
源氏は、惟光から死骸処置の報告を受けた。「もう一度死骸を見たい」と言い出して尼寺へ行き、夕顔の侍女の右近を伴って帰邸した。この打撃で源氏は病臥した。
右近の話で夕顔の素姓がわかった。案の如く、頭中将の「常夏の女」であった。
空蝉は、源氏が病気だと聞いた。自分は伊予に下る事を思いながら、源氏に見舞の消息をした。その返歌のついでに、源氏は軒端荻にも消息をした。
夕顔の四十九日は、比叡の法華堂で行われた。夕顔の家では、主人と右近の行方不明を疑い、かつ心配している。空蝉は、とうとう伊予に下ってしまった。