篝火(かがりび)あらすじ
内大臣は、もともときわ立って、何事もはっきりさせようとする性格の持主である。
「よく調査もせずに引取り、気に入らぬからといって、はしたなく取扱うのは、近江君に気の毒である」と、源氏は、内大臣を非難する。そんな事を聞くと、玉鬘は、「なまじっか、実父内大臣に引取られなくて、自分は却って幸であった」とも、今は考えている。
秋の初めのある宵に、源氏は玉鬘の許に行き、和琴を枕にして共に寝た。篝火に照らされる玉鬘の様子は、誠に美しい。髪の毛にさわって冷やかな感触をも受けた。歌の贈答もある。
その夜、花散里の東の対に、夕霧や柏木達の合奏している音楽が、源氏の耳に入った。源氏は、今自分のいる玉鬘の所へ、夕霧達を呼び寄せて、自分も一緒に合奏をした。御簾の奥に玉鬘も聞いている。柏木は玉鬘に心があるから、堅くなってしまった。