6. おなじことなれども
  本文  現代語訳
  おなじことなれどもきき耳ことなるもの。法師の言葉。をとこのことば。女の詞下衆の詞には、かならず文字あまりたり。   同じことではあるが、耳に聞いた感じが異なるもの。法師の言葉。男の言葉。女の言葉。卑しいものの言葉には必ず余計な文句が入っている。
   
   
   
   
   
   
 

「…もの」の形で主題を掲げ、それに適する項目を列挙し、適宜説明を施す。分類に対する知的興味の所産であり、前段までとは全く主題を異にする。なお作者の言語観に注意したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1 をとこのことば。女の詞…性別による言葉の差を認めている。

2 下衆の詞には…貴人の言葉に対する。階級による言語の別を認め、下層の者の冗漫な言葉遣いを指摘している。