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七月ばかりに
本文
現代語訳
七月
ばかり
に、風いたうふきて、雨などさわがしき日、おほかたいとすずしければ、扇もうちわすれたるに、汗の香すこしかかへたる綿衣のうすきを、いとよくひき着て晝(ひる)寝したるこそをかしけれ。
七月ぐらいに、風がたいそう吹いて、雨などが騒がしき日、大方大変涼しいので、扇もつい忘れてしまって、汗の香りが少し漂っている綿の衣の薄いのを、たいそう見た目よく着て昼寝していることこそ面白い。