47. 主殿司こそ | |
本文 | 現代語訳 |
主殿司こそ、なほをかしきものはあれ。下女の際は、さばかりうらやましきものはなし。よき人にもせさせまほしきわざなめり。わかくかたちよからんが、なりなどよくてあらんは、ましてよからんかし。すこし老いて、物の例知り、おもなきさまなるも、いとつきづきしくめやすし。 | 主殿司とは、やはり何といってもよいものである。下級女官の地位としては、たいそううらやましいものはない。身分の高い人にもやらせたいことのようだ。若くて姿かたちが良く、服装などきれいにしているならば、まして良いものだよ。少し老いて、物の先例など知っていて、厚かましい様子なのも、いかにも女官らしくて見よいものだ。 |
主殿司の顔愛敬づきたらん、ひとり持たりて、装束時にしたがひ、裳・唐衣などいまめかしくてありかせばや、とこそおぼゆれ。 | 主殿司の顔は、愛敬づいている、ひとり連れてきて、服装を季節に応じて新調し、裳や唐衣など現代風にして歩きまわらせたい。 |