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53. 雑色・随身は 

本文

現代語訳

語彙

 雑色隨身は、すこし痩せてほそやかなるぞよき。男は、なほわかき程は、さるかたなるぞよき。いたく肥えたるは、いねぶたからんとみゆ。

雑色・隨身は、少しやせてほっそりしているのが良い。男は、やはり若い身の上では、そういう風なのがよいのだ。たいそう肥えた人はさぞ眠たかろうと思える。

なほ【猶尚】…【副詞】@依然として。相変わらず。やはり。A何といっても(やはり)。それでもやはり。Bさらにいっそう。ますます。Cふたたび。やはりまた。



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1 雑色…蔵人所に属して雑役に奉仕する者の称。転じて一般に雑役に従事する召使をいう。

2 隨身…随身の定員は弘安礼節に「太上天皇十四人、摂政関白十人、大臣大将八人、納言参議六人、中将四人、少将二人、諸衛督四人、同佐二人」とある。

4 いねぶたからん…「い(寝)ねぶたからん」すなわち眠たかろうの意。能因本「ねぶたからん」、前田本「ねぶたかるらん」、堺本「いねぶたかるらん」。

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