62. 河は
本文 |
現代語訳 |
語彙 |
河と言えば、飛鳥川。どこも浅くなったり深く成ったり、どうしたものかと趣深い。大井河。おとなし川。七瀬川。 |
せ【瀬】…【名詞】@川や海の浅くなっている所。また浅くて流れのはやい所にもいう。瀬。浅瀬。A物事に出合う時。場所。折。機会。B(その)点。(その)節(ふし)。(その)こと。▽形式名詞的に用いる。 |
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耳敏川、またもなにごとをさくじり聞きけんとをかし。玉星川。細谷川。いつぬき川・澤田川などは、催馬楽などの思はするなるべし。名取川、いかなる名を取りたるならんと聞かまほし。吉野河。 |
耳敏川は、また何事をこざかしく聞いたのだろうと、趣深い。玉星川。細谷川。いつぬき川・澤田川などは、催馬楽などを思わせることだ。名取川とは、いかなる評判を取ったのかと訊いてみたいものだ。吉野河。 |
さくじる…【自ラ四】こざかしくふるまう。差し出たことをする。 |
天の川原は、「七夕の乙女に宿を借りよう」と在原業平が詠むのも趣がある。 |
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