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葵あらすじ

  桐壺帝退位、朱雀帝即位で世の中が変り、六条御息所の姫君が伊勢の斎宮に立った。

 源氏が頼りにならぬから、御息所は斎宮と共に伊勢に下向する気になった。賀茂の斎院には、弘徽殿女御の女三宮が立った。

 斎院の御禊の日、源氏もお供をした。この日、葵上の車が六条御息所の車と争って、御息所の車を破壊した。

 賀茂祭の日、源氏は紫上と見物に出た。源内侍の車に偶然逢ったので、源氏は和歌を贈答して戯れた。

 葵上は、物怪につかれた。源氏は側にいて看病する。御息所も色々の悩みで病気になった。その生霊が現われて葵上を苦しめた。やがて葵上に男子が出生した。甚だ美しくて、春宮にもよく似ている。葵上はまだ弱っていた。たまたま秋の司召で源氏も父兄も参内し、邸内が人少なの時、葵上は急に息絶えた。左大臣や源氏が、泣く泣く鳥辺野に葬ったのは、八月二十余日である。

 源氏は、悲しんで籠っている。御息所も源氏を弔問した。左大臣家の悲嘆は甚しい。

 その後、忌があけた。源氏は二条院に移って紫上と結婚した。右大臣は「朧月夜を源氏に娶せようか」とまで考えたが、弘徽殿の女御は反対した。源氏が憎らしいからである。源氏は正月に左大臣邸を訪問した。



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