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胡蝶(こてふ)あらすじ

  紫上方の、舟おろしと舟楽や歌舞は、季節柄、まことに善美を尽くしたものであった。列席した者の中には、西の対の玉鬘をゆかしがる人も少なくない。

 秋好中宮の季の御読経が、紫上方の園遊会に続いて行われた。その初日の音楽と童舞もまた、花やかに美しいものであった。紫上からの供物も美麗を極めた。

 玉鬘への懸想人として、源氏の許して居る者に、螢兵部卿宮と鬚黒大将と、若い柏木とがあった。懸想文も集って来る。源氏は一々見て、返事に対する注意をも、右近を通して玉鬘に色々と話した。実は、源氏自身とても、親がってばかりは居られない。玉鬘に対して悩ましい気持が、どうにもならなく涌く。

 源氏は、玉鬘を褒めて、紫上に気をもませもした。又、源氏は、玉鬘と和歌の贈答もし、言い寄ったり、反省したり、足に隙がない水鳥の如くに、外面は何げなく装って居ても、内心は忙しい。玉鬘は困惑し、源氏の態度がつくづく嫌にもなった。

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