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初音あらすじ

  源氏は、年賀かたがた、六条院の御方々の新衣裳姿を見て廻った。紫上方には、歯固めの祝をした。そのあとに、明石上へその姫君の返歌に口添えをした。それから、花散里・玉鬘・明石上を訪問したが、明石上方に一泊してしまった。明石上は、筆蹟も勝れて居た。

 臨時客で忙しかった後に、源氏は二条院の東院に、末摘花と空蝉とを訪問した。末摘花は、貧相な姿で、寒さにふるえて居た。空蝉の尼は殊勝に勤行し、人柄も一層洗練せられて居る。末摘花も、こんなに殊勝であればよいと、源氏はつくづくと考えた。

 男踏歌の人々は、夜明け方、六条院に廻って来て歌舞した。源氏は、異例の御馳走をし、祝儀の綿をも与えた。踏歌の歌頭である夕霧の声が、意外に勝れて居るのを、源氏は嬉しく思った。「やっぱり生真面目だけでは困る、こんな風流にも達して居るのは、良い事である」と思った。



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