藤袴(ふぢばかま)あらすじ
尚侍出仕の件で、玉鬘は悩んだ。出仕して帝寵を蒙っても、源氏関係の秋好中宮や、内大臣関係の弘徽殿女御には、悪いと思う。又、源氏の懸想心にも困る。
夕霧は源氏の使として、玉鬘を訪問した。冷泉帝から源氏へ下さった勅旨を、玉鬘に伝言するためである。夕霧は、玉鬘恋しさに、伝言以外の消息を作って玉鬘に接近し、藤袴の花を手渡した。和歌の贈答もした。又、義母紫上は、玉鬘よりもっと美しいと思って帰って来た。
夕霧は復命の機会に、玉鬘を話題に源氏と話した。「玉鬘が出仕しても、秋好中宮や弘徽殿女御と立ち並ぶ事は困難であろう。又、もし出仕すれば、螢兵部卿宮にも済まないと思う」と、夕霧は言う。「玉鬘は、実子でないから、自分一個の心のままにもならぬ。やっぱり実父内大臣の考えに従うべきであろう」などと、源氏は言う。
大宮の喪が八月に明けた。夕霧は懸想心があるので、玉鬘に追従する。柏木は、父内大臣の使として玉鬘を訪問した。その機会に、「姉弟なのに、冷淡である」と、恨み続けた。
鬚黒大将も、柏木を介して玉鬘の歓心を求める。螢兵部卿宮も、鬚黒大将の北方の兄なる左兵衛督も、玉鬘に懸想文を贈る。その中、螢兵部卿宮にだけ、玉鬘はいささかの返事をした。宮は非常に喜んだ。