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鈴虫あらすじ

  蓮の花の盛りの夏頃、女三宮、即ち入道宮は、御持仏の供養を行われた。源氏と紫上とは、その準備に力を入れたが、殊に紫上は大方の事を、細大となく配慮した。七僧の法服など、紫上の裁縫の優秀な点は、人々に褒められた。供養には、今上からも、朱雀院からも布施が来た。源氏は、女三宮の世話をするけれども、女三宮は静かに住みたいと思うのである。

 八月十五日の夕方、六条院に、女三宮が、仏前で念誦の所へ、源氏が来て、阿弥陀の大呪などを誦していた。そこへ、螢兵部卿宮や夕霧やその他の殿上人が、遊びのある事を予期して参集し、月前に鈴虫を聞きながら、演奏をした。源氏は、柏木を追憶して涙を流した。たまたま冷泉院から、御召しの使者が来た。

 源氏は、今まで演奏していた一同を伴って、冷泉院に参った。一同は、その夜、詩や歌などを作り、明け方に披講して退出した。源氏は、この機会に、秋好中宮を訪れた。秋好中宮は、母六条御息所の執念などを悲しんで、出家志願を申出た。源氏は、それに同情しながらも、追善供養の事などを勧告して、その志願を諌止した。



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