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横笛あらすじ

  源氏は、柏木の不都合を忘れはしないが、追慕も惜しまなかったから、一周忌を盛大に営んでやった。朱雀院は、落葉宮と女三宮との不運を、諦めて、山で修行なされる。夕霧は、柏木の遺言の真相に疑念を抱いていた。

 ある秋の夕、夕霧は一条宮を見舞って、柏木の思い出を、御息所としみじみ語り、柏木遺愛の和琴を弾いた。落葉宮は筝の琴を弾いた。夕霧は、その音に心が止ったので、落葉宮の心を察するように、琵琶で想夫恋を弾いた。御息所は、柏木遺愛の横笛を夕霧に譲った。

 夕霧は、横笛を譲り受けて帰邸し、少し寝入った。その時、柏木の夢を見た。柏木の亡霊は、その笛は、夕霧以外の者に伝授すべき由を告げた。途端に、若君が目をさまして泣き出したので、夢はさめ、雲井雁からは「浮かれ歩く」と恨まれた。夕霧は、亡霊のために、愛宕の念仏寺に、誦経を行った。

 夕霧は、翌日、六条院を訪れた。薫は、明石中宮の二宮・匂宮達と、遊び戯れ、夕霧にも纏いついて来る。夕霧は、薫が柏木に似ていると直感した。夕霧は源氏に逢って、一条宮訪問の事や、昨夜の夢の事を語った。柏木の遺言の真相を聞き出したいけれども、源氏が、何げない風なので、夕霧の期待は外れた。却って、想夫恋の事などで、一場の訓戒を聞かせられた。



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