柏木あらすじ
柏木の病勢悪化に、両親は心痛のあまり、葛城山の行者などまで招いて加持させた。柏木は、女三宮の前途に同情して消息した。小侍従を通じて、その返事があった。
女三宮は薫を生んだ。源氏は喜ぶべきであるのに、女三宮に冷淡にならざるを得ない。女三宮も心の鬼故に、出家志望を源氏に話した。
朱雀院は、女三宮の病気を見舞い、源氏の反対を押し切り、受戒させた。女三宮の出家は、六条御息所の物怪による。
夕霧は、柏木の意外な衰弱に驚き悲しんだ。柏木は、この見舞を喜んで、夕霧に遺言もし、源氏への申訳をも依頼した。間もなく柏木は他界した。
薫の五十日の賀が、盛大に行われた。源氏の感慨は複雑であるが、薫を抱いて白楽天の詩を思い出した。又、女三宮と柏木との密事を夕霧にほのめかした。
柏木の死後、落葉宮母子は寂しく過ごしている。夕霧は、その一条宮を訪問し、色々と懇談した。落葉宮と和歌の贈答もあった。
夕霧は、致仕大臣の邸を見舞った。致仕大臣は、見る影もなく窶れている。柏木の弟
の君達も、丁度集っていた。夕霧は落葉宮の母御息所の歌などを披露した。一同はしみじみと柏木の追憶をした。
四月頃、夕霧は一条宮を訪れた。夕霧は、落葉宮と和歌を贈答して、思慕の情をほのめかした。女房達は、夕霧を、「柏木よりも男らしい」と褒めていた。