65. 里は
本文 |
現代語訳 |
語彙 |
里は 逢坂の里。ながめの里。いざめの里。人づまの里。たのめの里。夕日の里。つまとりの里、人に取られたるにやあらん、我がまうけたるにやあらむとをかし。伏見の里。あさがほの里。 |
里と言えば、逢坂の里。ながめの里。いざめの里。人づまの里。たのめの里。夕日の里。つまとりの里、人に取られたのであろうか、自分が設けたのであろうかと詮索するのもおもしろい。伏見の里。あさがおの里。 |
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2 ながめの里…所在未詳。「ながめ」(物思い)の語の興味。
3 いざめの里…古今六帖、一に「東路のいざめの里」とあり。一説に伊勢・美濃。「いざめ」は寝覚めの意。
4 人づまの里…所在未詳。人妻の名の興味。
5 たのめの里…信濃国伊那郡。「たのめ」は頼ませの意。
6 夕日の里…盤斎抄に丹後。
7 つまとりの里…盤斎抄に陸前。
9 伏見の里…大和・山城いずれにもある。
10 あさがほの里…所在未詳。「朝顔」は寝起きの顔の意。