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末摘花あらすじ
夕顔の死後、源氏は大輔命婦から、末摘花の話を聞いた。命婦の手引きで、源氏は末摘花の琴を忍び聞いた。それは、梅の香のゆかしい十六夜。月はおぼろであった。
その帰途を、源氏は頭中将に見つけられた。頭中将は、内裏から源氏の後について来たのである。それから二人は、一つ車で左大臣邸に行った。源氏と一緒に、左大臣も高麗笛を吹いた。葵上の女房中務は、頭中将の恋をはねつけて、ひたすら源氏を思っていた。
頭中将と源氏とは、末摘花を手に入れようと競争した。源氏は大輔命婦を動かして、頭中将よりも先に、末摘花と逢ってしまった。逢っては見たが、末摘花は物も言わないので、源氏の気には入らない。末摘花の女房たちは、それを嘆いた。やがて桐壺帝の、朱雀院行幸がある。そのための忙しさに、源氏は末摘花に無沙汰した。その間に秋は過ぎた。
源氏は、雪の夜、末摘花のもとに一泊した。明くる朝、末摘花を見て、その大鼻に呆れた。けれども、荒れた邸や末摘花の気立の穏かさに免じて、世話する気になった。
歳暮に、末摘花が源氏に着物を贈った。着物に添えてあった和歌が、あまりに非常識なので、源氏も情なくなってしまった。それでも正月七日に、源氏は末摘花の邸に一泊した。
二条院で、源氏は紫上と絵を描いて楽しんでいた。