澪標(みをつくし)あらすじ
源氏は帰京後、故桐壺院のために法華八講を修し、朱雀院の信頼も厚い。朱雀院は退位の御考もあり、朧月夜への情愛と未練と愚痴もある。朧月夜も、前非を反省するように、物がわかって来た。
冷泉帝の御元服と御即位により、源氏は内大臣に、葵上の父左大臣は、摂政・太政大臣に、その他一門は、それぞれに栄達した。
明石上に姫君が誕生した。源氏は喜んで乳母を選んで遣わした。入道も喜んだ。
源氏は明石の姫君の事を紫上に語り、又姫君の五十日の祝の品も贈った。明石上の返事も来た。それらで、紫上は何となく嫉妬を感じた。
源氏は、久しぶりに花散里を訪うた。帰京後の源氏の周囲には、貴い婦人方が多いので、五節は煩悶した。源氏は退京後、兵部卿宮とも不和になっていた。
源氏は、かつての立願の御礼に、住吉詣でをした。明石上も、同じ日に偶然、参詣したが、源氏はこれを全く知らなかった。後で聞いて残念がり、京都に迎えようと決心したが、明石上と入道とは、上京を決心しかねていた。
御息所達は、伊勢から帰京した。御息所は源氏に斎宮の将来を托して、急に他界してしまった。斎宮は源氏に養われ、冷泉帝の女御として、入内する事になった。