朝顔(あさがほ)あらすじ
源氏は、朝顔を見舞いたいが、世間体を憚って、先ず女五宮を訪問した。朝顔と女五宮とは、同じ桃園宮に住んで居る。源氏は、女五宮訪問を装って、桃園宮に通った。
源氏は、朝顔に熱情を仄めかした。朝顔は、女房なる宣旨を間に立てて応答させ、打解ける様子はない。けれども、全然相手にならぬ態度でもない。
紫上は、源氏が朝顔によろめくを知り、「自分が軽んぜられるか」と、思い乱れる。世間も、源氏と朝顔とは、似合いの仲だと言う。紫上は、それをつらく思う。
雪の夕暮に、源氏は二度目の桃園宮訪問をした。女五宮が、宵の内から眠って鼾をかき始めた。源氏は喜んで朝顔の方へ行きかけると、突然、昔の源典侍が飛び出して来た。
朝顔は、相変らず冷淡である。「今更、軽々しく源氏に見られようとは思わない」と言う。女房達は、朝顔の態度を、心苦しく思って嘆く。紫上は嫉妬する。
雪の月夜、源氏は、女房や女童に雪まろげをさせた。その後、紫上と、藤壺・朝顔・朧月夜・明石上・花散里等の、人物評を試みた。
人物評を終えて寝た後、夢の中に、源氏は藤壺中宮と逢った。藤壺中宮が、死後に苦患を受けて居ると知って、源氏は寺々に御誦経をして、藤壺中宮の極楽往生を念じた。