梅枝(むめがえ)あらすじ
明石姫君の裳着と入内準備とで、薫物の調合や、調度品の用意が忙しい。源氏は、裳着の腰結役を、秋好中宮に依頼した。
螢兵部卿宮が判者となって、婦人方の調合した薫物を合わせた。判定は褒めるだけであった。
薫物合わせの後に、源氏は螢兵部卿宮や夕霧や柏木その他の君達と合奏し、歌の贈答もした。裳着の式は、二月十一日夜、盛大に行われた。
春宮の元服があった。明石姫君入内の調度が、多く調えられた。その中に書道の手本の冊子も加えられる。そのため、当代の名筆家に、執筆依頼があった。源氏は人々の筆蹟を評して書道論を展開し、紫上の手を褒めた。源氏自身も書いた。
螢兵部卿宮は、執筆依頼の冊子を持参し、源氏と共に夕霧達の筆蹟を評した。又、古万葉集や古今集を、明石姫君に贈った。源氏は、その返礼として、宮の子息の侍従に、唐の手本を贈った。
夕霧の結婚に関し、源氏は教訓を垂れた。内大臣は、雲井雁の身の振り方に悩んだ。夕霧と雲井雁の心情は、昔に変らないが、最近は意志疏通を欠いて、互に悩んでいる。