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藤裏葉(ふぢのうらは)あらすじ

  夕霧と雲井雁の相思の情は、ずっと変らない。夕霧は、中務宮の婿になるとの噂もある。内大臣の、夕霧に対する強気は、遂に折れた。母大宮の一周忌の時から、内大臣は、それとなく夕霧の歓心を得ようとする。

 内大臣は、藤の花見に夕霧を招いた。源氏の親心は、夕霧に、自分の直衣と下襲を着て行かせた。宴が盛りの時、内大臣は、雲井雁を夕霧に許した。源氏も漸く喜んだ。翌朝、源氏は内大臣の性格を評し、夕霧には訓戒を与えた。夕霧夫妻の仲は円満である。

 明石姫君入内のため、紫上は、祭日前、賀茂の御あれに参詣し、祭の日は、参拝し見物もした。見物の桟敷での、源氏の話は、紫上には訓戒がましかった。夕霧は、祭の内侍使となった藤典侍に、祭の朝、消息した。姫君入内後、付添った明石上は、初めて紫上と対面し、親しくなった。源氏には出家の心がある。

 来年の四十賀の準備中、秋に、源氏は準太上天皇となった。夕霧も昇進して、大宮の三条邸に移った。雲井雁と共に、往時をすずろに追懐する。

 六条院に、同時に行幸と御幸があった。桐壺帝の、朱雀院への紅葉賀の行幸の昔も、思い出される。その日の童舞も美しかった。



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