橋姫あらすじ
八宮は、失意の生活が続き、子供も無くて寂しい生活であったが、漸く姫君を得た。然るに二人目の姫君の誕生の後に、北方は他界した。八宮は大君には琵琶、中君には筝の琴を教えて、大切に養育なされた。
八宮は、母女御にも早く死別し、学問もせず、暢気であった。然るに、弘徽殿大后による立坊計画が失敗してからは、失意が加わり、御殿も焼失したので、宇治の山荘に隠棲して、山の阿闇梨と法談を交し、薫の話も耳にせられた。薫は、八宮に私淑していた。
晩秋、八宮が、山寺に参旅中、薫は宇治を訪れて、姫君達の琵琶と筝の琴とを聞いた。大君と中君との、「撥で月を返すとか、入り日を返すとか」の問答も仄聞した。薫は、大君と、問答もしたが、大君は弁御許に応待を譲った。
弁御許は、柏木の臨終の模様や身の上話など、色々と語った。そのあとで、女三宮に対する柏木の悲恋や遺言などを、薫に語った。又、薫は、大君と、和歌の贈答をした。
薫は帰京後、左近将監を使者として、八宮に色々の物を贈った。八宮は、薫から大君への消息を喜ばれた。薫は宇治の山荘の模様を匂宮に語った。
八宮は、姫君達を心配し、薫にその将来を頼まれた。薫が引き受けたので、八宮は喜ばれた。薫は、弁御許を招いて、先日の残りを話させた。弁御許は、柏木の遺書を、薫に手渡した。薫は、自分の父が柏木であると語った。