宿木(やどり木)あらすじ
女二宮の裳着の準備中、その母藤壺女御は他界した。今上は、薫に碁の相手をさせ、女二宮の事を仄めかした。薫は気が進まない。
夕霧は六君の婿に匂宮を懇望した。明石中宮の教訓で匂宮は承諾し、中君は煩悶した。
薫は大君を思慕し、中君は現在の境遇を後悔している。薫は、朝顔の花を中君に贈った。寂しい心同士の接近に、女三宮も心配する。
匂宮は六君の婿となった。中君は憂悶したが、結局、諦めざるを得なかった。
六君の三日夜の宴に、薫の供人は、今夜の婿が薫でない事に、愚痴を言った。
匂宮の夜がれに、中君は宇治に帰りたくなる。薫は恋情が募るので頻りに中君を訪う。
薫の移り香を怪しんで、薫との間を疑い、匂宮は中君を詰問したり、慰籍もした。
薫は中君の女房達に衣料を贈与した。薫の恋慕に、中君は悩んだ。
薫は弁尼を訪ねて、大君を忍び、寝殿の改築の事を語り、浮舟の素姓を聞いた。
薫が宿木の歌を口ずさみ、弁尼も唱和した。また、宇治の紅葉を中君に贈って、匂宮に恨まれた。
中君に若君が誕生し、産養が盛大であった。薫は悔しくも嬉しくもある。
女二宮は裳着に続いて薫と婚姻した。中君の若宮に五十日の祝の餅があった。
藤花の宴に、人々は盛大に演奏した。薫の天盃下賜と、按察大納言の羨望とがあった。
薫は、宇治で偶然、浮舟を覗き見てしまった。大君と瓜二つなので感慨無量である。