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蜻蛉(かげろふ)あらすじ

 浮舟失踪で、山荘は混乱状態である。噂を聞いて、匂宮からの使者たる時方が馳せつけ、侍従に事の真相を聞こうとする。侍従は秘し隠して真相を語らない。その事に関する乳母の落胆喪心や、母の疑惑の中に、急に葬送を終った。

 薫も匂宮も、喪神愁傷の中に過ごした。ある日、薫は、複雑な気持を含んで、匂宮を訪問し、浮舟の追憶談をして帰った。

 匂宮は、浮舟の死の真相を知りたくて、右近を呼びに使を出したが、右近は断った。その代りに、侍従が参邸して、浮舟の最期の事情を話した。

 薫は、浮舟の心情と死因に疑問を持ったので、右近を宇治に訪ねた。右近の説明は、表面はまことしやかであったけれども、薫には、腑に落ちない点も残った。

 薫の慰問に、浮舟の母は感泣した。薫は、浮舟の中陰の法要を懇切に執行した。薫と匂宮の誠意の相違も、今、明らかに見られた。その頃、薫は、小宰相とも親しくなった。

 明石中宮の法華八講が終った。その日、薫は、女一宮を覗き見て、思慕の情が燃えたので、女一宮と、自分の夫人女二宮との文通を、中宮に頼んだ。また、女一宮の御供の大納言君が、浮舟と匂宮・薫との関係を、中宮に語った。

 侍従は、宇治を離れた後、明石中宮に仕え、式部卿宮の姫宮も、中宮に仕えた。薫は、女一宮の弁御許と語りあった。中将君と遊仙窟の文で応答もした。薫は、宮の姫君、即ち宮君に同情していた。



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