手習(てならひ)あらすじ
僧都の母尼(大尼)は、初瀬寺に礼参の帰途、病んだ。僧都は、見舞のため横川から下り、宇治院に母尼を移す事とした。宇治院で僧都達は、女変化を発見した。
母尼は、宇治院に移った。僧都は、母尼と浮舟とを加持した。母尼は快方に向ったので、浮舟同道で小野に帰った。浮舟は依然として失神状態である。
浮舟は依然失神状態なので、妹尼は僧都の下山を懇請した。僧都は下山して加持した。それによって、物怪も去り、浮舟はやや意識が回復した。
妹尼の亡娘の婿の中将が、小野を訪問し、浮舟の後姿を見て懸想した。浮舟は憂悶する。中将が訪問したある月夜に、尼達の合奏もあった。
妹尼は初瀬に礼参した。その不在中、浮舟は上手に碁を打った。またまた中将が来た。浮舟は、母尼の室に逃げたが、母尼達の鼾(いびき)に恐れをなした。その頃、僧都が女一宮の加持に下山の機会に、小野に立寄った。浮舟は僧都に懇請して出家した。
女一宮の御悩は直った。僧都は、変化の女(浮舟)の事を明石中宮に話して帰山した。
浮舟の出家で、妹尼は僧都を恨んだ。僧都の帰山後、中将はまた小野を訪問して、浮舟の尼姿を見たいと言う。浮舟は道心堅固である。
妹尼は、浮舟に若菜を贈った。薫は浮舟の一周忌を行った。紀伊守は、女の装束調製を妹尼に頼んだ。浮舟の感慨は無量である。
薫は、浮舟の事を明石中宮から仄聞し、小宰相からも聞いた。薫は、浮舟の弟の小君を連れて横川の僧都を訪い、帰途、小野にも寄る考えであった。