79. あぢきなきもの
  本文  現代語訳
 あぢきなきもの わざと思ひ立ちて宮仕に出で立ちたる人の、物憂がり、うるさげに思ひたる。養子の顔にくげなる。しぶしぶに思ひたる人を、しひて婿取りて、思ふさまならずとなげく。  つまらぬもの。わざわざ思い立って宮仕に出た人が、その宮仕えを大儀がり、厄介そうに思っている。娘が気が進まずにいる男を親が無理に婿に迎えて、結果が思わしくないと嘆くこと。