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関屋あらすじ

  もとの伊予介は、常陸介になって赴任した。その後妻たる空蝉も、介に従って下った。空蝉は、源氏の須磨退去事件を常陸で聞いて傷心した。

 常陸介は、任を果たして、その九月、上洛の途に就いた。逢坂の関を越える日が、九月つごもりになった。丁度その日、偶然にも、源氏は石山寺への礼参に来た。二つの行列は、逢坂の関屋附近に出逢った。晩秋の昼頃である。源氏も空蝉も感慨無量。源氏は、昔の小君(今は右衛門佐)を召して、空蝉に僅に消息しただけで、行き別れた。

 石山寺の礼参が終って、源氏は帰京する。そこへ右衛門佐が、御供に仕えまつろうとて伺った。源氏は、空蝉への消息を、右衛門佐に託した。源氏の色々の温情に、右衛門佐は感激した。空蝉は懐旧の情に堪えず、返り事を書かずには居られなかった。

 常陸介は老衰するにつけ、先を心配して、空蝉の身の上を、子供達にくれぐれも頼んだ。命には限りがある。未練を残しながら、常陸介は他界してしまった。

 父の遺言も、当座だけであった。河内守即ちもとの紀守は、懸想の下心で、空蝉を親切に扱った。その下心を知った空蝉は、誰にも言わずに、さっさと出家してしまった。

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